関西特許研究会



代表幹事 川上 桂子

 9月6〜7日の二日間、恒例の夏季セミナーを京都にて開催致しました。開催地が京都となった理由として、(1)今年はセミナー講師として裁判官または大学教授をお呼びしたいというアイデアが当初からあったので、交通の便の良いところ(新幹線駅の近く)を選んだから、(2)親睦部会幹事の実家が京都だから、という二説があります。
KTK夏季セミナーは、毎年、1日目はセミナーと懇親会、2日目はレクリエーション、というプログラムを組んでいます。今年は、知的財産高等裁判所第三部部長の飯村敏明判事にセミナー講師としてお越しいただきました。そのため、夏季セミナー受付開始から申し込みが殺到し、最終的には、韓国からの参加者も含めて100名を超える会員にご参加いただきました。当初は参加者を80〜90名と見積もって会場を予約しておりましたので、ホテル担当者と相談し、会場後方は椅子のみのレイアウトに変更致しました。椅子席にご着席の皆様には、メモをとりづらい等のご不便もあったかと存じますが、お申し込みいただいた全ての会員にご出席いただくことができました。





 セミナーでは、最近の知的財産訴訟に関して、特許権紛争と商標権紛争とを中心として、その現状や課題について飯村判事からご講義いただきました。セミナー後は、同会場で立食形式で懇親会を行いました。飯村判事にもご臨席賜り、飯村判事を囲んで、また、会員同士の輪で、それぞれ話がはずんでいたようです。懇親会ではこれも恒例のビンゴゲームも行われました。実は、KTKは、自前のビンゴ抽選機を所有しており、歴代の親睦部会幹事が大事に引き継いでいます。しかし、今回の夏季セミナーでは、より高性能(?)なビンゴゲーム機が会場にあり、無料で貸していただけたので、そちらを使用しました。今年は、WiiフィットやiPod等の魅力的な景品が入っていたため、ゲーム開始直後から異様な盛り上がり状態となりました。あまりの盛り上がりぶりに、飯村判事は驚いていらっしゃいましたが、一緒に楽しんでいただけたようでした。





 実は、個人的には、知財高裁の裁判官に夏季セミナー講師としてお越しいただきたいと、強く願っておりました。関西の弁理士にとって、知財高裁は決して近い存在ではない、と感じています。審決取消訴訟や侵害訴訟の控訴審等の個別事件で裁判官に接する機会はあっても、そんなに頻繁にあるわけではないですし、個別事件の中では、なかなか本音でのお話を伺うことはできません。今回、飯村判事に講師をお願いしてご快諾いただけたことは大変幸甚であり、こういったセミナーや懇親会を通して裁判官の生の声を聞く機会を提供できたことを嬉しく思っています。なお、私達から見て知財高裁が遠いのと同様に、知財高裁から見ても関西は遠いようです。しかし、3月の特別セミナーにお越し下さった知財高裁所長の塚原朋一判事も、今回お越し下さった飯村判事も、お帰りの際に、「関西の弁理士さん、特に若い弁理士さんと、話をする機会が持てて良かった。」と言って下さっています。また、KTKという組織が関西にある、ということは「裁判所(知財高裁)に顕著な事実」となったようですので、今後もKTKとしてこのような企画ができればと願っています。
 以下は、セミナーおよび各レクリエーションの報告です。






★☆セミナー報告★☆

 今年は、セミナーにおいて、特許だけでなく商標もトピックにしてほしい、という要望がありましたので、飯村判事には、特許と商標の両方についてのご講義をお願いしておりました。特に、商標については、立体商標についての拒絶審決を取り消した事件(マグライト、コカコーラボトル)は飯村裁判長の第三部の事件であったので、皆さんの期待も大きかったのではないかと思います。
 特許については、当初、査定系と侵害系におけるクレーム解釈の異同、というテーマを飯村判事にご提案させていただいたのですが、これに限らず、特許紛争の現状と問題点について、幅広くご講義いただきました。詳しい話としては、参考として、アメリカの特許訴訟の現状をご解説下さいました。さらに、それと対比しつつ、日本の現状と問題点として、進歩性の判断手法や、侵害訴訟における無効の抗弁(特許法104条の3)とその影響(無効審判手続やクレーム解釈への影響等)について、ご説明下さいました。
 商標については、まず、特許法104条の3の準用規定があることによる商標権の効力に対する影響についてお話下さいました。また、立体商標についても、ひよこ事件、マグライト事件、およびコカコーラボトル事件を例に挙げて、ご説明下さいました。
以上のとおり、法理論や裁判所実務について様々な観点からお話いただきましたが、それだけではなく、飯村判事ご本人が「日頃何を考えて裁判をしているか」をお話し下さったことが非常に印象的でした。貴重なご講義を賜りましたことを、心から感謝致します。
(川上 桂子)



















KTK2008 夏季セミナー
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