2025年6月26日(木)特実部会&訴訟実務部会「先使用の抗弁の位置づけと主張立証~パラメータ特許を中心に」
1.日時:2025年6月26日(木)18:30~20:00
2.場所:ハイブリッド(日本弁理士会関西会会議室&Zoom)
3.テーマ:先使用の抗弁の位置づけと主張立証~パラメータ特許を中心に
4.講師:小池綜合法律事務所 弁護士 小池 眞一先生
5.概要(講師より):
選択発明分野にある用途発明やパラメータ発明に関しては、自社技術に対する後発出願特許リスクが高まっているとされ、かかるリスクへの対抗手段として、改めて先使用の抗弁が注目されています。
ただ、知財高判平成30年4月4日[ピタバスタチン製剤事件](髙部)が先使用の抗弁の成立に特許発明と先使用発明との技術的思想の同一性を必要とするかのような判断を傍論で示していたことや、知財高判令和2年9月30日[光照射装置事件](大鷹)が訂正の再抗弁による先使用の抗弁の成立を否定したことから、特に、特殊パラメータ発明に対する侵害事案や先使用者が実施態様を変更した事案では、先使用の抗弁の成立範囲が実務感覚からすると、かなり狭くなってしまうのではないかと議論されてきました。
このような中で、知財高判令和6年4月25日[ランプ及び照明装置事件](本多)がでて、先使用権の範囲につきウォーキングビーム式加熱炉事件が述べた先使用権者が自己のものとして支配していた技術的思想との規範が改めて示されたところです。
泥臭い主張と立証の世界の話ですので、理屈だけで割り切れませんが、比較法的な観点も踏まえ、先使用権制度の趣旨を特許権者と先使用権者との公平を図ることとする公平説の現在の立ち位置を整理して説明したいと思います。
6.その他
この研修は、日本弁理士会の継続研修(集合研修)として申請予定です。この研修を関西会会議室で受講し、所定の申請をすると、外部機関研修として1.5単位が認められる予定です。オンライン受講における受講管理が困難であるため、単位認定の対象を関西会会議室での受講者に限定させていただきます。ご了承ください。
(津田愛子・辻村和彦 記)