2021年10月29日(金) 特実部会、医薬・バイオ特許研究班、東京地区知財研究班合同『内在特性と新規性・進歩性に関する諸問題』
日 時:2021年10月29日(金) 18:30~20:00
場 所:zoomミーティング(申込者に自動返信メールでミーティングルーム情報をお知らせします)
テーマ:内在特性と新規性・進歩性に関する諸問題
講 師:弁理士 細田 芳徳 先生(細田国際特許事務所)
概 要:(講師より)
令和2年12月、IL-2改変体事件において、知財高裁は、本件発明のIL-2改変体に係る「FOXP3陰性T細胞においてSTAT5のリン酸化を誘発する能力が低下」の要件に関し、引例のIL-2改変体には記載がなく、そのような作用を有することが知られていたことについての証拠はないとして、出願後のデータを参酌することなく、本件発明の新規性が失われることはない、との判断を下した。
請求項に記載の内在特性に関し、引例の物については具体的な開示はなくても、その特性を必然的に内在している場合があり、内在的に同一といえるような場合がある。そのような場合、一般に新規性がないと判断されているが、一方で、事案によっては、前記のIL-2改変体事件のように新規性を肯定する裁判例もある。しかし、その線引きは必ずしも明解なものではない。古くから議論されてきた難問ではあるが、本事件を紹介した上で過去の代表的な裁判例も参照しつつ、判断基準としてどのように考えると納得感のあるものになるのか、といった点について、議論できればと思っている。併せて、余力があれば、内在特性と進歩性の関係についても言及したい。
その他:
・講師のご講演の後、有志による懇親会を予定しています(30分~1時間程度)。こちらもよろしければ是非ご参加ください。
(藤原 由子 記)